時のなかの赤い糸
「見せつけてくれるじゃねーか」
声が聞こえてその方を見ると、あの遥を襲った3人と、他の5人が、刀をぶら下げて立っていた。
「…お前ら」
永倉は遥を自分の後ろに隠すと、塀と永倉自身で遥を守った
「この数を1人で相手するきかい?」
1人が言うと、皆いっせいに笑い出した。
「そっちの男装してる女は高く売れそうだな」
ニヤリと笑った男は、あきらか遥を目掛けて刀を振りかざした。
――――――――ザンッ
目をつぶった遥は全くの無傷で、ゆっくり目を開けると斬りかかった男はその場に倒れていた。
「俺を誰だと思ってんだ?」
――――――――――壬生の鬼
そうだ、永倉新八は新撰組の中でも剣豪で、壬生の鬼と呼ばれたんだ。