時のなかの赤い糸
決意の時
「やりやがったな!」
その瞬間、残りの7人がいっせいに永倉目掛けて刀を振りかざした。
「永倉さんっ!」
「綾野、大丈夫だ」
永倉の真剣な横顔は、壬生の鬼そのままだった。
あたしは…これからも守られ続けるのだろうか…
こうして、永倉たちの足を引っ張ってしまうのだろうか…
目の前で行われる激しい戦乱を決して忘れてはいけないと、遥は目に焼き付けた。
「おい」
「きゃっ!」
遥の頭を誰かがつついて、遥は声をあげると永倉もつられてその方を向いた時、頬を刀で切りつけられた。
「永倉さんっ」
「よそ見すんなよ永倉さん」
「わりぃ、綾野を頼んだ」
彼は、塀の上から軽々と遥を持ち上げると屯所へ瞬歩で向かった
山崎だ。