時のなかの赤い糸
翌日。
「原田さん、団子屋のマサちゃんが来てますよ?」
原田の部屋を訪れた遥に、寝ていた原田も飛び起きた。
「どこ?!」
「ぶっ……門の前にいますからね」
噴き出して笑った遥のことも気にせずに、原田は門まで走った。
「マサちゃん!」
「あ……ι」
ちょっと嫌そうな顔をしたマサちゃんの手には桃色の風呂敷。
「えっと……昨日のお礼!団子あげる」
と、忙しなく原田に団子を突きつけてマサちゃんは帰っていった。
「おっしゃ―――!!」
大声張り上げて喜ぶ原田に、曲がり角まで来たマサちゃんは優しく笑った。