時のなかの赤い糸
江戸に帰っていた近藤達が京都に戻って来て、藤堂の師であった伊東甲子太郎一派が新選組に加わった。
「伊東先生には新選組参謀を努めてもらう」
「名高き新選組の名を汚さぬよう、国を守るため天子様を守るため、尽中報国の志のもと努める所存にございます」
深々と頭を下げた伊東の姿は、広間に集まっていた幹部に気難しいイメージを与えた。
「私、あの人苦手です」
「俺も」
市中の見廻りを当番になった2番隊で、遥と永倉が話していた。
「何て言うか、言ってる事がいっつもあんなんだから話すの大変そうですよ」
「わかる。眠たくなるよな」
ウンウンと遥が頷いた。
「永倉隊長、そろそろ交代の時間です」
「あ、うんわかった」
隊士に言われて2番隊は屯所に戻っていった
とりあえず休憩だ。
「団子食べに行きませんか?」
「いいねー」
休憩に入った遥と永倉はそろって屯所を抜けていった。