時のなかの赤い糸
わからない心
「大丈夫だよ」
原田が言うと、遥は下を向いてしまった。
(大丈夫じゃなかったら…
あたし、どうしよう…)
遥は目をギュッとつぶると、原田の大きな手が頭の上にのっかった。
「大丈夫。
あいつはこんなことで負けたりしねーよ」
原田の言葉がすごく遥の支えになった。
「綾野」
永倉の部屋のしょうじが開いて沖田が遥に手招きをした。
「ほら、もー大丈夫なんだよ」
原田が笑顔で言って遥の背中を人押しした。
「ありがとう!原田さん」
あの少女の笑顔は原田の心を和ませていた。
だけど、恋愛感情とかではなくて、ただその感情は名前ももたない感情だった。