時のなかの赤い糸
「永倉さん」
遥の刀が永倉の刀を止める。
「子供を殺すのですか?」
キッと遥は永倉を睨み付けた
「わっぱとはいえ、不逞浪士にはかわりない」
永倉の意見に「はぁ」とため息をつく。
「ちょっとは頭を使ったらどうですか?子供の口から桂の情報が聞けるかもしれないじゃないですか」
遥は刀を鞘なおした。
「それも、そうだな」
永倉は武内に目で捕えろと指図した。
「本当にバカですね」
「お前なぁ?」
前みたいに戻った。
ただそれだけのこと。
忍ぶ恋こそ真の恋。
この状態に戻れたなら、もう他に何もいらない。
この想いは、永遠に忍び続ける
そんな風に思ったのは、遥だったか、永倉だったか……