時のなかの赤い糸
「何もするな」
局長、近藤の一言が、その場に響いた。
「俺は大丈夫だ。伊東参謀を説得する」
「無理に決まってるだろうがι」
土方がなだめるように近藤に言葉を浴びせた
「無理ではないよ。なんとかなるさ」
近藤がニッコリ笑って、土方は盛大なため息をつき、原田はがっかり、と項垂れた。
「今夜は、楽しい酒になりそうだよ」
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「遥?」
土方が自室に戻ると、部屋の隅で小さくなっていり遥の姿があった。
「何してるんだよ」
自分の羽織を脱ぐと遥の肩にかけた
「風邪ひくぞ、起きろ」