時のなかの赤い糸
「あれ?近藤さんは?」
原田が広間を見渡す。
集まったのは局長を除く幹部たち
「局長には泥は塗らせない。全ては俺の責任とする」
土方が言い切ると、原田と永倉がパチパチと拍手した。
「かっこいいね副長!」
「いかすぜ。だけどよぉ、泥っつうのはなんなんだよ」
永倉が少し困惑気味に問う
「御陵衛士間者の斎藤からの報告によれば、確実に近藤局長を闇討ちにするらしい」
その場にはもういない斎藤は、今夜、局長の妾宅に潜み、局長を暗殺するということだった。
なんとか出来ないように仕向けると言っていたが
「こちらでも、二番隊と十番隊は屯所に待機していてくれ」
「「承知」」
土方はそれだけいい終えると、部屋からそのまま出ていった。