時のなかの赤い糸
「七条油小路南に伊東先生が放置されているだと、早く連れ戻そう」
慌ただしく御陵衛士たちは刀を持って夜を走り出した。
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「後は頼んだ」
「承知」
屯所に戻った土方が、永倉と原田に告げた。
「俺と綾野と原田と………は敵討ちにくる御陵衛士を相手する。残りは屯所で待機」
永倉が全体に声をかけて呼ばれた隊士たちは七条油小路南まで走り出した。
新撰組と御陵衛士。先についたのはもちろん新撰組。
伊東が倒れている路地はちょうど曲がり角で近くのそば屋の2階で新撰組は待機した。
部屋の中で路地に倒れている伊東の方を向きながら手を合わせて拝む遥
その様子を見て、少し伊東が羨ましいと感じてしまう永倉は、自分に呆れた。
「平助くんも来ますかね?」
いつの間にか永倉を見ていた遥
「あ、……そ、そうだな」