時のなかの赤い糸
それでも一番の誠
もし藤堂が来たら、斬るのか。
もちろん答えは皆同じ。
「「「あいつは斬らない」」」
永倉遥原田は声を揃えた。
ずっと一緒に誠の旗の下集い歩んだ仲間。
伊東一派のように途中で入って来たのとは訳が違う。
いくら伊東が藤堂の師匠であったとしてもだ。
「……伊東参謀は、土方さんが殺したのでしょうか?」
遥は独り言のように呟いた。
(こんな時でも考えるのは副長の事なんだな)
永倉は何も言えずにただ行き場のない手を握りしめた。
「おい、あれ」
原田の言葉に遥と永倉が外を見た
伊東を囲うのは三人の御陵衛士たち。
その中には大切な仲間、藤堂の姿もあった