時のなかの赤い糸
「好きな人」
「いません……多分」
遥は、今、自分の気持ちが分からなかった。
恋をしているのだろうか?
してないというのは、心のどこかで突っ掛かった。
「そうなのか」
また、土方は遥の頭を撫でた。
その様子を巡回から戻ってきた永倉が見て、心を痛めていたことは、遥には分からなかった。
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その日の夜、壬生浪士の幹部が近藤の部屋に集まった
「あの事件を解決したわけだが」
近藤の隣で土方が話し出した。
あの事件―――
のことは遥も知らない。
「幕府に報告にいったところ」
沖田も永倉も原田も藤堂も、皆静かに土方の話を聞いている
「将軍警護にあたる仕事が与えられ、壬生浪士の仕事に加算された。
同時に、新しい名前を頂いた。