時のなかの赤い糸
さようなら
「うわぁぁああああ!!!」
ザッと砂煙がたち、赤い血が夜空に舞った
ベッタリと、遥の体には斬った箕輪の返り血が付着している
静まるその場
戦いが終わったのがわかった。
ブランと遥の右手に刀がぶら下がっている
遥と永倉と原田、それに他の隊士が立っていた。
「全員殺ったか?」
原田の声が響いた
「何人かを逃がしてしまいました。」
「そうか」と原田がなが槍の刃に蓋をした。
「…藤堂くん」
「綾野っ帰るぞ」
どうして?
藤堂は仲間じゃないの?新撰組じゃないの?連れて帰ったっていいはずでしょう?
遥のやりきれない思いをぶつける場所もなくて、永倉をバッとみた。
永倉も、小さく頷いて原田との同意を示す
「どうして!?」
「平助は一回新撰組を出たんだ。武士の生き方に女が口出しすんじゃねーよ」
パンっ!!!
辺りには鋭い音が響いた。