時のなかの赤い糸
薩長そして幕府の最後の剣
「これっ!」
原田の指にかかった赤い紐の新しい下駄
遥が朝、歯を磨いているときだった。
「なんですか?ι」
遥は原田と下駄とを怪しげに見つめる
「こないだは、悪かったな」
遥の目を一つも見ないで原田は遥の足下に下駄を置いていった。
原田の不器用な優しさが身に染みる
「ありがとうございます!」
原田の後ろ姿に遥は笑顔を見送った。
「はぁ!?近藤さんが坂本龍馬暗殺!?」
ホカホカした気持ちになっていた遥と原田は、屯所に響いた土方の声に動きを止めた。
原田が遥を振り返って目を合わせる
これは確実に事件だ
あわてて遥がうがいすると先にいった原田を追うように門に駆けつけた。