時のなかの赤い糸
【壬生浪士】
遥の体は、地面につく前に、落ちていくスピードを落として、スローモーションのようになったのだが
――――――ドォン!!
と、言う擬音をたてて、遥の体は侍の上に落ちていった。
「重い……」
目を回した遥は、自分が重いとかそれどころじゃなくって
下に寝転ぶ侍の姿なんて、全く見えなかった。
「…重い!?」
はっと言われた事に気付いて視点を彼に向けると、遥の予想を遥かに越えた身形をしていた。
「…重いから重いの……」
ちょっと不機嫌そうに遥を睨む彼は、
黒い綺麗なサラサラの髪を風に流していた
そこまでは良いのだが、
彼は、藍色の着物に、腰には刀を下げていた……