時のなかの赤い糸
【戊辰戦争の幕開け】
だけど、
「そろそろ隊務の時間」
遥が永倉に言うと、永倉はガックリと顔を遥の首もとに埋めた。
赤い風呂敷の持ち主が屯所に来るかもしれないし、
時間に遅れたら士道不覚悟で切腹になるかもしれない。
(でもこのままがいいしなぁ…ι)
遥は困ったように永倉の肩に手をおいた。
「……遥」
耳もとで囁く声、吹きかかる息
遥の体がビクッと反応した。
「やっぱり我慢出来ない」
永倉は遥のうなじに口付けるとそのまま鎖骨、胸とキスを下ろしていった。
「…ひぁ…永倉さんっ」
ぎゅっと遥の手が永倉の肩を掴む。
「…続きはまた屯所でな」
パッと永倉の体が起き上がって、唇を腕で拭きながら言った。
そしてすぐに顔を赤めて背ける。
それは、遥があまりにも綺麗だったからで、永倉は参ったな、と苦笑いした。