時のなかの赤い糸
新撰組、江戸へ
遥と永倉は新撰組に合流した。
戻ったころには、沖田を加えた本当の新撰組が江戸に向かう船に、もう乗り込んでいた。
まぁ言わば大遅刻。
鬼の副長が黙ってる訳もなく、こっぴどく怒られた。
船は江戸へと向かう。
遥は、離れていく港を船から見ながら京都の空を仰ぎ見た。
夜から出たから真っ暗で、星が燦々と瞬いている
「遥、山崎が呼んでる」
斎藤が遥の隣に立った。
「遅刻してしまって
すいませんでした」
「俺に言われても知らない」
「ですよね」
相変わらずクールな斎藤に少し気分が落ち着いた。
相変わらずだから
「…多分。こんな時しか永倉さんと過ごすことは出来なかっただろう。
だから、あんたは自分を追い込む必要はないよ」
「ありがとうございます」
「早く山崎のとこに行って」
本当に相変わらず
斎藤を残り遥は船の部屋に入っていった。