時のなかの赤い糸
中には寝台が置いてあり、西洋の文化を取り入れた事がわかる。
寝台を囲んで、島田と尾関がいて
寝台には頭を布で巻いた山崎がいた。
山崎は、京都で新政府側の人間に斬りつけられてしまったのだ。
痛々しい姿に
何度見ても歯痒さしか残らない。
「……遥……か…」
山崎が目を開いて遥を確認する。
「そうです。山崎さん」
ゴクンと息を飲んで山崎の寝台の隣で膝をついた。
「……遥と二人きりにしてくれへん…?」
「わかった。頼んだよ、綾野さん」
島田らは、遥に言って部屋を出る。
遥と山崎二人きりになった部屋には、山崎の声が響いていた。
「アホやな遥」
「な、いきなりなんてことを」
血の滲んだ布を巻いているのに、山崎は何もないようなフッと笑う。
無理してるようにしか見えない