時のなかの赤い糸
江戸の町
ひっそりと山崎の息が絶え
新撰組は少しずつ仲間を失いながらも
江戸に到着した。
芹沢から始まり、自らの手で斬るを得ない場合もあって
悲しい別れを繰り返し
辛く辛く許せないことを繰り返し
新撰組は今日まで誠の旗の下なんとか集い、歩んで来ていた。
***
「懐かしーですね」
近藤や土方らの故郷、多摩
遥は多摩の川辺に腰を下ろした。
「遥はタイムスリップで来たんだよな」
永倉が隣で石を川に投げた。
新撰組との別れから一年経って、遥はまたこの世界に踏み入れた訳で
遥、新八、遙でタイムスリップしたのが近藤がまだ江戸にいた多摩だった。