時のなかの赤い糸
誠の旗は永久不滅
1868年3月1日
新撰組、甲陽鎮撫隊と名を変えて甲府へ出立
「だっさい名前ですねー」
なんて言いながら
3月6日、甲陽鎮撫隊、勝沼の戦いで敗戦となった。
ザア――――ァと雨が降るなか、古びた寺の中で近藤をはじめとした新撰組ほぼ幹部と隊士達が無言でその時間を過ごしていた。
雨がしきりに地を打ち付ける。
遥は戦でおったかすり傷の血を雨で流していた。
壁にかけられた誠の旗
新撰組初期、壬生浪士組の頃から士気を高めてくれた誠の旗。
遥は傷を布で拭いてから、近藤らの近くに座った。