時のなかの赤い糸
「「「それいい」」」
全員一致でその着物に決まった。
「じゃあ帯はこれを」
と、濃い桃色の帯を渡された。
「ありがとうございました」
お金をだしてくれた沖田にも、店員さんにも、遥は心から礼をいった。
「帰るか」
「はい」
屯所に戻って、遥は藤堂に手伝ってもらいながら着物をきた。
「やっぱり似合うよ」
「ありがとう」
遥の自室を出ていった藤堂は、近藤のもとにいった。
「近藤さん。
長州が動きだしたの?」
「あぁ。そろそろこの平凡も、長くは続かないだろう」