時のなかの赤い糸
叫ぼう誠に届くまで
何も考えられずに足だけが動いていて、遥は永倉と原田の目の前に立った。
「局長を助けに行きましょうよ」
迷わず出た言葉
何を言われるかなんてわかっていた。
「無理だ」
それでもなっとくいかなかった。
理由がわからなかった。
原田も永倉も強いじゃないか
新撰組には斎藤だっている旗持ちの尾関だって
立派に誠の旗を掲げている
第一
土方が近藤をどうして新政府に明け渡したのか
「私新撰組に戻ります」
「馬鹿っ」
原田が声を被せるように遥の思考を遮った。
「新撰組に戻って何する気だよ」