時のなかの赤い糸
ゲラゲラ笑う永倉に一発お見舞いしてやろうとする手を止めた。
「すいませんね、可愛くなくて」
不貞腐れるとますます永倉は笑い出す。
「いいんだっ、遥はそのままで」
「?」
永倉は立ち止まると遥の肩を寄せて強く抱き締めた。
「遥は遥で俺は俺なの。
俺は遥じゃないと愛せない
だから神様が俺に遥を与えてくれた」
遥は永倉の胸に顔を沈めて頷いた。
「私、この出会いが偶然なんかじゃないって
気付けたんです」
「……あぁ」
星さえも見ぬことが出来るくらいに強く強く抱き締めて
そう願う自分の我が儘は神様が与えた
最後の さ だ め ─────────…………