時のなかの赤い糸
“女なんだから”なんて言わせないようにニッと笑って原田の言葉を遮った。
「遥には敵わないよ」
はぁ、とため息をはいた原田に、永倉が「同感」と悪戯に笑った。
「さぁ行きますよ!!」
さっきよりも早くなった足はまだ重い
だけど、新撰組の最後を見なければ
未来に戻る兆しは見えない気がしたから、遥は涙を堪えながら原田と永倉の一歩前を歩いた。
「遥ー、んなヅカヅカ歩いてたら転けんぞ」
「大丈夫ですよー、っうわぁ」
板橋の門を潜ろうとした時、原田の忠告通り遥は段差に躓いた。
「大丈夫?」
男の人に支えてもらったから難を逃れたものの、後ろでは「言わんこっちゃない」と呆れた声が聞こえた。