時のなかの赤い糸
「刀を持つと言うことは、そうゆうことだ」
永倉は、まっすぐ刀を梢から抜くと、月の光にかざした。
「…大丈夫。
できるよ、綾野なら」
綾野はまた顔を隠した。
どうやら悩みはまだあるようだ。
「男とまた間違えられたとか?」
永倉が言ったとたん、遥はバッと顔を上げた
「そうです!そうです!
そうなんです!!!」
あまりにもの勢いで遥は永倉に寄った。
「あ―はいはい」
「なんでそんなめんどくさそうなんですかぁ!!」
また、遥が顔を隠す
「綾野。ちと顔あげ」
操られるように顔をあげると、永倉の顔がすぐそこにあった。
「……!?」