時のなかの赤い糸
わすれはしない
「うわあぁ」
「早くっ遥っ」
涙で前は見えなくて、永倉に引っ張られながら仕切りに足を動かした。
追っては見えない所まで来たがまだわからないと永倉と原田は走り続ける。
遥は力も抜けた状況だった。
今は逃げなきゃいけないとはわかっていても
「涙が止まりませんーっ」
わんわん泣く遥に永倉は気の抜けた笑みを浮かべた。
「俺っ」
原田が少し声をかすらせて声を出した。
「一旦京都に戻る」
走りながら原田はハニカンだ。
「新八と必ず薩長をあっと言わせる。
だけど、ちゃんとおまさに会いたいんだ」
永倉は原田と顔を見合わせて笑った。
「あぁ、京都は危険だ。死ぬなよ」