時のなかの赤い糸
「目、つぶって」
永倉が、あまりにも大人っぽいものだから、遥の顔が真っ赤になる。
(何するの何するの何するの―――?!)
―――――――――ピシッ
「痛っ」
おでこに鋭い痛みが走る。
「でこぴん?!」
額を抑えると、永倉が立ち上がる気配がした。
「広間いくぞ」
「みんな待ってる」
指し伸ばされた手に掴まって、廊下を手を繋いで歩いた。
「綾野は女だよ。
その着物も似合ってるし」
永倉がチラッと遥を見て、すぐによそ見すると、口をかくした。
「永倉さん――!
ありがとうございます」
遥は、前に土方に聞かれて分からなかった何かがわかった
――――――そっか、あたしは―――――