時のなかの赤い糸
通いし心
「俺…」
永倉の切ない目が遥の唇をうつした。
「全員に口付けしたんだな」
「え?」
静かな空に二人の吐息が漏れた
「俺にはしないの?」
「永倉さんはないじゃないですか」
遥がそう言うと、永倉はムッとした表情になった。
「…キスして、いい?」
永倉が聞くと、遥は静かに頷いて目を閉じた。
唇がゆっくり触れたか触れてないかで重なった
遥が目をあけると、永倉も目をあけていて、二人して笑った
「変な感じですね」
「そか?」
遥は永倉の首に手をかけて抱き着いた。
「永倉さん…大好き!」
「さっきは大嫌いじゃなかった?」