時のなかの赤い糸
「ん…」
短く返事すませると、永倉は山崎の前に座った。
「永倉はん、昨夜なんかあったんちゃうん
酔った勢いとかで…」
山崎が冗談混じりで言うと永倉はピシッと固まってしまった。
((図星??))
山崎と藤堂の頭の中に同じ文字が現れた。
「……何か、したんやな?」
永倉はチラッと二人を見ると渋々頷いた。
藤堂は驚きと悲しみの余り「あ゛―」とうめいてその場に寝転び、山崎は呆れて物も言えなかった。
「酔った勢いやすまされんで…まったく」
永倉はご飯を一口加えた
「…綾野はんをそんな風に傷つけるんやったら…
俺が奪いますよ?」
そのご飯はポロっと口から落ちていった。