~異種魔法異能力挌闘SFファンタジー~ 帝竜 -ミカドノリュウ-
 思わず、口を開いたまま数秒を過ごしてしまった。
 マホウ? どこの世界の言葉? 何をわけのわからんことを。

「ふっ、そうね、そんな簡単に自分の術を言うもんじゃないわよね。なら……」

 少女は微笑みながら、羽織ったローブから指揮棒ほどの小さな杖を取り出した。
 一体どこのファンタジーっすか?という麟紅の質問は、しかし口にすることはできなかった。

「無理やりにでも言わせる!!」

 次の瞬間、視界がぼやけた。

 見えた景色は、何か水晶でできた槍のような物体が、自分に向かって飛んでくる光景。

「アイス! 貫け!!」

 それが体に当たった瞬間、当たったあとで、無駄だというのに、不意に、麟紅は横にとんだ。

「なっ!! 避けた!?」

 少女の声が聞こえた。

 麟紅が地に降りた瞬間、麟紅がいた場所からガチンという音がした。

 視界が、ぼやけた。

 元の視界に戻り、慌てて周りを見渡すと、自分が今まで立っていた場所に氷でできた槍が。
 少女の顔を見ると、驚愕の色が伺えた。

「!! あんた……その眼……まさか……」

「?」

「予知……眼……?」

 麟紅の右目がしっかりと開かれ、そこに黄水晶(シトリンカラー)の瞳があった。


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