~異種魔法異能力挌闘SFファンタジー~ 帝竜 -ミカドノリュウ-
「……ん、あれ?」
ゆっくりと、視線を上げた。
何も起こっていない。
吹っ飛ばされることなく、まだ屋上に立っている自分がいる。ほっと一安心。
でもなぜ?
麟紅は後ろを振り向いた。
そこにいたのは麟紅を吹っ飛ばそうとした張本人、藍奈と、見慣れた黒いポニーテールの少女。
「あ? れ? ……」
右手になぜか竹箒を持った少女は、ゆっくりと麟紅のほうを振り向き苦笑い。
「大丈夫ですか? 兄さん」
「あ、……は? ……し、しし、ししし紫音!?」
少女の名前は『御冠神楽 紫音(みさかぐら しおん)』。言うまでもなく、麟紅の実の妹であり、昨日学園の高等部に入学したピカピカの一年生だ。
「え、あ、う、なんで……やねん」
思わず関西弁になってしまった麟紅に対し、紫音はさらに苦笑い。
「あのぉ……これにはちょっと深いわけが……」
「魔女? こんな極東の地でここまでの魔女に出会えるなんて……てゆーか邪魔されたし」
藍奈が不満げに口を挟んだ。杖をローブの下の制服のポケットへと入れた。
魔女?ただでさえショート寸前の麟紅の脳が、さらに危険信号をあげる。
「ご、ごごごめんなさい! わたし……ずっと黙ってたんだけど……魔女なの……」
紫音が自分の人差し指を絡ませながら言った。そんな謝られても……まずは説明をしてもらいたい。
そしてさらに麟紅の頭を狂わせる声が届いた。
「まぁ~ほんま面白いことになったなあ。まさかお二人さんも魔法使いやったなんて、おどろきや~」
聞いた声が響いた扉のほうから、首を伸ばすと、こんな状況で予想通りというのもなんだが、やはり常磐の声だった。その後ろに茜の姿も見える。
この流れでいくと……やはり……
「金土師……ま、まさか……お前も魔法使い……か?」
常磐はにっこりと笑って頷いた。
「ピ~ンポ~ン! ってゆーかさっき“も”ってゆーたやないか、ヘッヘッヘ」
ついに、麟紅の脳がオーバーヒートを起こした。最後に「あ、あれ? 麟紅君?」という常盤の呼びかけを脳に残して。
ゆっくりと、視線を上げた。
何も起こっていない。
吹っ飛ばされることなく、まだ屋上に立っている自分がいる。ほっと一安心。
でもなぜ?
麟紅は後ろを振り向いた。
そこにいたのは麟紅を吹っ飛ばそうとした張本人、藍奈と、見慣れた黒いポニーテールの少女。
「あ? れ? ……」
右手になぜか竹箒を持った少女は、ゆっくりと麟紅のほうを振り向き苦笑い。
「大丈夫ですか? 兄さん」
「あ、……は? ……し、しし、ししし紫音!?」
少女の名前は『御冠神楽 紫音(みさかぐら しおん)』。言うまでもなく、麟紅の実の妹であり、昨日学園の高等部に入学したピカピカの一年生だ。
「え、あ、う、なんで……やねん」
思わず関西弁になってしまった麟紅に対し、紫音はさらに苦笑い。
「あのぉ……これにはちょっと深いわけが……」
「魔女? こんな極東の地でここまでの魔女に出会えるなんて……てゆーか邪魔されたし」
藍奈が不満げに口を挟んだ。杖をローブの下の制服のポケットへと入れた。
魔女?ただでさえショート寸前の麟紅の脳が、さらに危険信号をあげる。
「ご、ごごごめんなさい! わたし……ずっと黙ってたんだけど……魔女なの……」
紫音が自分の人差し指を絡ませながら言った。そんな謝られても……まずは説明をしてもらいたい。
そしてさらに麟紅の頭を狂わせる声が届いた。
「まぁ~ほんま面白いことになったなあ。まさかお二人さんも魔法使いやったなんて、おどろきや~」
聞いた声が響いた扉のほうから、首を伸ばすと、こんな状況で予想通りというのもなんだが、やはり常磐の声だった。その後ろに茜の姿も見える。
この流れでいくと……やはり……
「金土師……ま、まさか……お前も魔法使い……か?」
常磐はにっこりと笑って頷いた。
「ピ~ンポ~ン! ってゆーかさっき“も”ってゆーたやないか、ヘッヘッヘ」
ついに、麟紅の脳がオーバーヒートを起こした。最後に「あ、あれ? 麟紅君?」という常盤の呼びかけを脳に残して。