~異種魔法異能力挌闘SFファンタジー~ 帝竜 -ミカドノリュウ-
「えーっと、それじゃ、ここに名前と住所と使用魔法を」

「だから俺魔法使えねぇって」

「予知眼と書いておけばよかろ」

 「なんか寂しいなぁ」と呟く麟紅の隣で使用魔法の欄に「魔女術」と書いている紫音。その紫音を藍奈はむすっとした顔で見ていた。
 紫音は藍奈の視線に気付き、顔を上げてにっこりと笑った。

「書かないんですか?」

 途端に藍奈は顔を真っ赤にして吠えた。

「あとで書くわよ!」

「そうですか」

 再び顔を下ろし、手続き書の記入に入る。檸檬は兄である璃寛に書き方を教わっている。
 茜は、ずっとうんうん唸っていた。

「どうした? 茜ちゃん」

「はっ! はひぃ!」

 ちゃん付けされると思っていなかったのか、それとも本当にビックリしたのか。

「あ、あのぉ、なんでわたしここにいるのかなぁって……」

 ペンをいじる茜を見つめ、カーキーは笑った。

「妖狐(ようこ)だってね」

 ぴくっと茜の体が動いた。麟紅は黙って聞いていようかと思ったが、それじゃ何も進まないなと思って尋ねた。

「妖孤……?」

「ん? ああ、いわゆる妖怪だよ」

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