~異種魔法異能力挌闘SFファンタジー~ 帝竜 -ミカドノリュウ-
第三章:未完成の賢者の石;Unfinished Philosopher's Stone
それから何日か後の土曜日の夕方。
麟紅は<黄昏の翼>事務所に来ていた。しかも一人で。
あれ以来時間の都合でここには来ていなかったが、何を思ったのかいつの間にか足がこちらを向いていたのである。
「何故俺はここにいる……いや、別におかしくはない、先日メンバーになったわけだから自分がここにいることはまったくもっておかしく無いのだがしかし何故自分は今こうしてここにいるのかを簡潔に説明しようとするならばそれすなわち四百字詰め原稿用紙三枚に永遠と“すごい”と書き続けるようなものだったり全然そんなの関係なくてぶっちゃけて言えば俺は今何を言ってるのかをここで今から国会議事堂まで」
「何をしてるでござるか?」
事務所の玄関前でブツブツ独り言を呟いていた麟紅の後ろにいつのまにか朽葉が立っていた。実際のところ麟紅が「自分がここにいることは~」と呟いていたあたりからいて「お、久しい顔じゃな」と声をかけたのだが、麟紅は気付いていなかった。
「あぁ、くーさんっすか」
「くーさんって何? そういえばお主と同じクラスのはずの常盤以下二名はどこにいるでござるか?」
首を伸ばして辺りを見回す素振りを見せる様子から、どうでもいい世間話でもしたそうな気配が読めた。
「常磐と夕凪と椿ならちょっと前にあった実力テストで成績が悪かったって、学習会に呼ばれたよ」
「……三人とも?」
「イエス」
「…………」
神鳴学園高等部は、他の進学高等部や専科高等部などに比べて圧倒的に(頭のほうでで)堕落者が多いのだが、その中でも成績が悪いと言われる者はなかなかいない。
ある意味天然記念物に等しいかもしれない。
麟紅は<黄昏の翼>事務所に来ていた。しかも一人で。
あれ以来時間の都合でここには来ていなかったが、何を思ったのかいつの間にか足がこちらを向いていたのである。
「何故俺はここにいる……いや、別におかしくはない、先日メンバーになったわけだから自分がここにいることはまったくもっておかしく無いのだがしかし何故自分は今こうしてここにいるのかを簡潔に説明しようとするならばそれすなわち四百字詰め原稿用紙三枚に永遠と“すごい”と書き続けるようなものだったり全然そんなの関係なくてぶっちゃけて言えば俺は今何を言ってるのかをここで今から国会議事堂まで」
「何をしてるでござるか?」
事務所の玄関前でブツブツ独り言を呟いていた麟紅の後ろにいつのまにか朽葉が立っていた。実際のところ麟紅が「自分がここにいることは~」と呟いていたあたりからいて「お、久しい顔じゃな」と声をかけたのだが、麟紅は気付いていなかった。
「あぁ、くーさんっすか」
「くーさんって何? そういえばお主と同じクラスのはずの常盤以下二名はどこにいるでござるか?」
首を伸ばして辺りを見回す素振りを見せる様子から、どうでもいい世間話でもしたそうな気配が読めた。
「常磐と夕凪と椿ならちょっと前にあった実力テストで成績が悪かったって、学習会に呼ばれたよ」
「……三人とも?」
「イエス」
「…………」
神鳴学園高等部は、他の進学高等部や専科高等部などに比べて圧倒的に(頭のほうでで)堕落者が多いのだが、その中でも成績が悪いと言われる者はなかなかいない。
ある意味天然記念物に等しいかもしれない。