~異種魔法異能力挌闘SFファンタジー~ 帝竜 -ミカドノリュウ-
玄関での話もなんだということで、つい先ほどまで麟紅とカーキーがだらけていた応接室のソファに煽烙を座らせる。
「で、東鳳院きょう……じゃない、東鳳院先生、今日はどのようなご用件で」
「大学での癖ですかね? そうですね、今日ここに来たのはちょっと手伝って欲しかったことがありましてですね。ちょっとこれを」
煽烙は鞄から三枚の資料を取り出して、カーキーに差し出した。その間に朽葉が「粗茶でも」と煽烙の前に茶の入った湯のみを置いた。煽烙は「どうも」とそれを口に含む。資料を受け取ったカーキーはさらりとそれを読み流し、視線を煽烙に向けた。
「『未完成の賢者の石(Unfinished philosopher's stone)』……?」
「えぇ」
膝に肘をつき、煽烙は軽く体を乗り出した。
「そこに書いてある通り、この学園の地下資料室の奥に『未完成の賢者の石』という魔道具(マジックアイテム)があるんですよ。今度の研究にそれを幾分か使わせていただこうと思いましてね」
「確かに学園長の許可証はありますね」
資料の三枚目を眺めながら、カーキーはお茶を口に含んだ。
「資料によると、予定は今度の日曜日、ということになってますが」
「私がそこへ行くのに休日が都合がいいというのと、平日はみなさん忙しいでしょうし、私としてもできるだけ協力者は欲しいですからね」
「そうですか……わかりました、この依頼、引き受けましょう」
にこりと、さわやかな笑みを浮かべてカーキーは右手を差し出した。煽烙も同じように笑むと、その手を握った。
握手は、何事においても、即席の契約の証となる。つまり、互いを信頼した、ということになるのだ。
「で、東鳳院きょう……じゃない、東鳳院先生、今日はどのようなご用件で」
「大学での癖ですかね? そうですね、今日ここに来たのはちょっと手伝って欲しかったことがありましてですね。ちょっとこれを」
煽烙は鞄から三枚の資料を取り出して、カーキーに差し出した。その間に朽葉が「粗茶でも」と煽烙の前に茶の入った湯のみを置いた。煽烙は「どうも」とそれを口に含む。資料を受け取ったカーキーはさらりとそれを読み流し、視線を煽烙に向けた。
「『未完成の賢者の石(Unfinished philosopher's stone)』……?」
「えぇ」
膝に肘をつき、煽烙は軽く体を乗り出した。
「そこに書いてある通り、この学園の地下資料室の奥に『未完成の賢者の石』という魔道具(マジックアイテム)があるんですよ。今度の研究にそれを幾分か使わせていただこうと思いましてね」
「確かに学園長の許可証はありますね」
資料の三枚目を眺めながら、カーキーはお茶を口に含んだ。
「資料によると、予定は今度の日曜日、ということになってますが」
「私がそこへ行くのに休日が都合がいいというのと、平日はみなさん忙しいでしょうし、私としてもできるだけ協力者は欲しいですからね」
「そうですか……わかりました、この依頼、引き受けましょう」
にこりと、さわやかな笑みを浮かべてカーキーは右手を差し出した。煽烙も同じように笑むと、その手を握った。
握手は、何事においても、即席の契約の証となる。つまり、互いを信頼した、ということになるのだ。