~異種魔法異能力挌闘SFファンタジー~ 帝竜 -ミカドノリュウ-
「おい、遅いがな。もう入学式始まってまうで」

 体育館に入って、クラスの列の方に向かうと一番後ろにいた緑ぶちメガネで右耳にピアスをつけた男が話しかけてきた。さっきの「急げよ」と声をかけてきたクラスメイトだ。(関西弁だったけ?)頭髪はブリーチをかけていぶした銀色になっている。ここの学園も校則はたいして厳しくないのでどちらかというとやりたい放題だ。

「お、おぅ悪ぃな……。え~っと……」

「まだクラスの奴の名前覚えきれへんのかい。最初の日に自己紹介したやろ? わいの名前は『金土師 常磐(かなはじ ときわ)』やって……ちょい御冠神楽君聞いとるん?」

「ん? あ? あぁ、聞いてる聞いてる。確かもともと九州出身だった奴じゃなかったっけ?」

 他のクラスメイトの、中等部のときこの男と一緒のクラスだった奴が言っていたことだ。九州出身のくせに関西弁の変な男、エセ関西人、関西人を侮辱しとる、と散々文句たれてた記憶があるようなないような。

「あぁ、頼むけんそれ言わんといて」

「わかったけど頼むけんって、“けん”ってお前それこそ九州丸出しじゃねえか」

「あぁ! しもた!!」

 軽く笑いあったあと、翠雷は列の途中に割り込む。身長順で、麟紅はそんなにでかくはないがまぁ後ろのほうである。さっきの常磐とかいった少年はクラスでは一番でかかった。おそらく百八十五くらいはあるだろうな、と一人結論付けしておく。
 そうこうしているうちにいつの間にか周りは静かになり始め、高等部教頭がスタンドマイクの前に立った。








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