~異種魔法異能力挌闘SFファンタジー~ 帝竜 -ミカドノリュウ-
 髪が爆ぜ、灼熱の炎のように化した。

 閉じた口から、炎が漏れた。

「あ……あぁ……」

 その左眼は、眼球がすべて、この世のどんな紅よりも紅く、この世のどんな赤よりも赤い。

 瞳はなく、中心に猫の目のような縦に細長く、黒い瞳孔が光っている。

 “眼”そのものが、炎と化して、燃えていた。

「あぁ……あぁ……」

 その炎、あらゆる劫火を焼き尽くし、あらゆる豪火を喰らい尽くす。

 すなわち、地獄の炎、業火。

「お前は……まさか……」

 ギチ、と煽烙の歯が軋む音がした。
 少年は、その業火の眼差しで、まっすぐに男を捕らえた。

「私は地獄より出でし竜、すなわち獄竜(ごくりゅう)」

 淡々とした口調で、少年は語る。

「私の名は“帝(みかど)の竜”。……すべての竜の頂(いただき)に立ち、すべての竜を使役する者……すなわち、私はこの世の竜の王なり!!」

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