~異種魔法異能力挌闘SFファンタジー~ 帝竜 -ミカドノリュウ-
「え~と、なんでも親の都合で急遽元いた学校を離れることになったそうで、この近くに引っ越してきたそうですよ。さ、夕凪さん、自己紹介を」
思わず立ち上がりそうになった。こんな偶然あっていいものかとも思った。むしろ目を疑ったと言っていい。煽烙の隣に立った転校生の少女は、昨日、麟紅に正面玄関を訪ねてきた少女だったのだ。その茜色の髪の少女に、他のクラスメイトも呆然と眺めていた。おそらくみんな(男子)考えていることは同じだろう。
少女はうつむきながら、緊張しているのかとても小さな、細々とした声を喉から絞り出した。
「ゆ……ゆゆ……『夕凪 茜(ゆうなぎ あかね)』……で……すぅ……」
最後のほうは、その名前と同じ、茜色の髪よりも顔を真っ赤に染めながら、だった。
そして、チラッと、視線を上げた。
それも偶然か。
茜が上げた視線が、ちょうど麟紅の視線と一致した。実際は糸目なので視線がどうとかは周りからは判断できないのだが、麟紅自身が目があったと思った。
さらに重ねて、
「あ」
と、顔を上げた茜の口から驚きの声が漏れた。
「あ」
と、麟紅の口からは失態の声が漏れる。
「あ?」
と、クラスメイトの疑問の視線が二人に降り注いだ。
いつのまにか、意識はしていたわけではないのだが、麟紅は立ち上がっていた。
「あなたは……昨日の……」
「え……あ……え……ま、まぁ」
驚きの表情を隠しきれない茜に対し、麟紅はなんとか落ち着きを取り戻そうと必死に脳をめぐらした。
「あんれぇ? 御冠神楽君は夕凪さんと知り合いでしたか?」
煽烙のとぼけた声が聞こえたので、麟紅はさらに必死で頭を整理し応対した。
「いや、昨日の入学式の朝に……正面玄関を……その、学校の……まぁ、それで」
自分自身何を言っているのかわからなかった。しかし、そのあと煽烙が「あぁ、そうですか」と言ったときには、本当かどうか怪しく思った。が、続けて「とりあえず転校生の紹介はこれで終わりますよ。今日の日程はいつもどおりですから」とショートホームルームを終わらせてくれたので深く考えはしなかった。
思わず立ち上がりそうになった。こんな偶然あっていいものかとも思った。むしろ目を疑ったと言っていい。煽烙の隣に立った転校生の少女は、昨日、麟紅に正面玄関を訪ねてきた少女だったのだ。その茜色の髪の少女に、他のクラスメイトも呆然と眺めていた。おそらくみんな(男子)考えていることは同じだろう。
少女はうつむきながら、緊張しているのかとても小さな、細々とした声を喉から絞り出した。
「ゆ……ゆゆ……『夕凪 茜(ゆうなぎ あかね)』……で……すぅ……」
最後のほうは、その名前と同じ、茜色の髪よりも顔を真っ赤に染めながら、だった。
そして、チラッと、視線を上げた。
それも偶然か。
茜が上げた視線が、ちょうど麟紅の視線と一致した。実際は糸目なので視線がどうとかは周りからは判断できないのだが、麟紅自身が目があったと思った。
さらに重ねて、
「あ」
と、顔を上げた茜の口から驚きの声が漏れた。
「あ」
と、麟紅の口からは失態の声が漏れる。
「あ?」
と、クラスメイトの疑問の視線が二人に降り注いだ。
いつのまにか、意識はしていたわけではないのだが、麟紅は立ち上がっていた。
「あなたは……昨日の……」
「え……あ……え……ま、まぁ」
驚きの表情を隠しきれない茜に対し、麟紅はなんとか落ち着きを取り戻そうと必死に脳をめぐらした。
「あんれぇ? 御冠神楽君は夕凪さんと知り合いでしたか?」
煽烙のとぼけた声が聞こえたので、麟紅はさらに必死で頭を整理し応対した。
「いや、昨日の入学式の朝に……正面玄関を……その、学校の……まぁ、それで」
自分自身何を言っているのかわからなかった。しかし、そのあと煽烙が「あぁ、そうですか」と言ったときには、本当かどうか怪しく思った。が、続けて「とりあえず転校生の紹介はこれで終わりますよ。今日の日程はいつもどおりですから」とショートホームルームを終わらせてくれたので深く考えはしなかった。