~異種魔法異能力挌闘SFファンタジー~ 帝竜 -ミカドノリュウ-
 煽烙と戦ったあの日、あの後、すぐにカーキーたちが駆けつけた。どうやら、カーキーと朽葉が戦っていたドラゴンは、煽烙による幻術だったらしい。幻術に殺される二人でもないので、ほとんど無傷だった。
 煽烙はその後も行方知らず。遠いどこかで何かしらやっているんだろう、と麟紅なりの結論を出す。
 その後の事は、カーキーがいろいろしてくれた。事情を学園長に報告しに行き、煽烙に代わる麟紅のクラスの担任を手配してもらった。迅速な処理のおかげで、魔法教師による麟紅に対する質疑応答も、ほとんどないものと等しいぐらい短く終わった。
 ただ、一つだけ問題があって、それはその日の夜に紫音に一日の出来事を茜と協力して伝えると、紫音が何を勘違いしたのか、慌てて麟紅の眼の治療にと山ほどの魔法薬を持ち出してきた。麟紅は「全部は無理だろ」と紫音を落ち着かせ、なんとか学校に持っていく分を三つにとどめた。
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