~異種魔法異能力挌闘SFファンタジー~ 帝竜 -ミカドノリュウ-
「で、これがその魔法薬」
錠剤の薬を見せると、藍奈は身を引き、茜は苦笑いし、常磐は爆笑した。
色は濁った茶色のが一つ、他は血を混ぜたような真っ赤なのと、意味はよくわからないが迷彩柄っぽいのが一つ。
弁当箱の前にそれらを並べると、明らかに異彩を放っているとしか思えないほどになってきた。
「はぁ、笑いつかれたわ。でもさ」
箸で玉子焼きをつつきながら、常磐は麟紅に声をかけた。
「これからどうすんねん。ほんまに」
そうだ。煽烙の言葉が頭に響いた。
「竜王術を狙いにくる、か」
「わいはその竜王術ってのを見とらんさかい何も言えへんけど、これから大丈夫なんか?」
「そうよ。そんな特別な能力を持ってたら、絶対狙われるわよ」
「麟紅くん……」
常磐に続き、藍奈も言い放った。麟紅は黙り込んだ。茜の声が、妙に頭を回る。
「そうだ……な……、でもよ」
一言息を切り、笑って見せた。
「だからっつって、何か出来るわけでもねぇだろ? 今はとにかく今を考えんのが先だと思うんだよ」
茜の笑顔が輝いた。藍奈のため息が聞こえた。常葉のニヤケ面が目に入った。
「安心しろ。そんときゃそんときで、なんとかなるさ」
おわり
錠剤の薬を見せると、藍奈は身を引き、茜は苦笑いし、常磐は爆笑した。
色は濁った茶色のが一つ、他は血を混ぜたような真っ赤なのと、意味はよくわからないが迷彩柄っぽいのが一つ。
弁当箱の前にそれらを並べると、明らかに異彩を放っているとしか思えないほどになってきた。
「はぁ、笑いつかれたわ。でもさ」
箸で玉子焼きをつつきながら、常磐は麟紅に声をかけた。
「これからどうすんねん。ほんまに」
そうだ。煽烙の言葉が頭に響いた。
「竜王術を狙いにくる、か」
「わいはその竜王術ってのを見とらんさかい何も言えへんけど、これから大丈夫なんか?」
「そうよ。そんな特別な能力を持ってたら、絶対狙われるわよ」
「麟紅くん……」
常磐に続き、藍奈も言い放った。麟紅は黙り込んだ。茜の声が、妙に頭を回る。
「そうだ……な……、でもよ」
一言息を切り、笑って見せた。
「だからっつって、何か出来るわけでもねぇだろ? 今はとにかく今を考えんのが先だと思うんだよ」
茜の笑顔が輝いた。藍奈のため息が聞こえた。常葉のニヤケ面が目に入った。
「安心しろ。そんときゃそんときで、なんとかなるさ」
おわり