空っぽの私に色を描いた君
君は私の光だよ

いつか、君にそう言った

でも君は、キョトンとした顔で、屈託なく笑った

自分は何もしてないよ、ただ、─────と一緒にいたいから話しかけただけ

当たり前のように、君は言い放った

私は君の気持ちがとても嬉しかった

君はそれを、当たり前だと言った

今まで忘れてた気持ちを一瞬で思い出した

私は、誰とも関わっちゃいけないと思っていた

でも、そうじゃないと気づいた

無色透明な私に、色を描いてくれた君

やっぱり、君は私にとって「大切」な人だよ





これだから、悪かったのかな

私が欲張りになっちゃいけなかったんだ

私はなにも望んじゃダメだった

ただ、贖罪をしていく身なのに

母、父、妹、友達、叔母、叔父

もしかしたら、知らないところでもっと迷惑をかけたかもしれないのに

浮かれすぎたんだ

君だけには、疫病を呼びたくなかったのに

神様は、どこまでも私に意地悪だった─────
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