空っぽの私に色を描いた君
空っぽの私
始まったのは、私が小学2年生の頃だった

毎日がとても楽しくて、友達に囲まれた生活を送っていた

一年ほど前に妹が生まれ、家族は母、父、妹、そして私の4人となったばかり

この幸せが途切れる日が来るなんて

幼かった私は、考える由もなかった



その日、私は友達の家に泊まりに行っていた

可愛い妹や大好きな母、頼れる父と離れるのは少し嫌だったけれど、友達と共に過ごせるのが楽しみで仕方なかった

これが悪夢の始まりだったのかもしれない

ううん、私が生まれたから悪かったんだ

私さえ生まれなければ

皆は傷つかずに、今だって平和に生きていたはずなのに



友達の家にいる頃、友達の家に突如、警察から連絡が入った

電話を受けた友達のお母さんは、慌てて私にこう告げた

─────ちゃん、あなたの、お母さん達がね

そこからはよく覚えていない

パニックになっていたのか、それともなにも考えられなかったのか

よくわからないけれど、気づいたら3人の遺影の前にいた

3人とも、写真の中では笑顔で

生まれたばかりの妹も、つい最近私が撮った満面の笑顔の写真が遺影として飾られていた

3人が死んだのは、私のせい

偶然私を見かけた犯人が、私の家に押し入った

でも、当然私はいなくて

私を探してる間に妹が泣きだし、それを聞いた母が妹の元に駆けつけ、犯人を見てしまった

顔を見られたからには殺すしかない
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