空っぽの私に色を描いた君
安易な考えで、犯人は妹と母を惨殺

すぐにその場から立ち去ろうとした時

残業もなく早く帰ってきた父と鉢合わせ

そして、妹と母を殺したナイフで、父も殺した

母の悲鳴を聞いたらしい近所の人が警察に通報

そして、事件が発覚した

友達の家に泊まりに行くということを、私は自慢げに近所の人に話していた

それに、友達の家は私の家からも比較的近かった

すぐに知らせは飛び込んできた

近所の人は、私のことを気にかけてくれた

事情を知っている友達も、いつも以上に優しかった

困ったことがあったら力になるから

なんでも言ってね、─────ちゃん

でも、私のココロの傷は、そう簡単に癒えるものではなかったのだ



その日から、私は時が止まったようだった

母の妹、私の叔母の家族に引き取られた

叔母や叔父は私に優しくしてくれた

元々親交があり、何度も会っていたから、そこそこの気心は知っていた

だから、かもしれない

引き取られてから1週間が経った頃

叔母の体に異変が起きた

まだ若かった。母とは年子で、ほんの一歳だけ違う、27歳なのに

叔母は若年性アルツハイマーを発症した

まだ初期症状しか出ていなかったけれど、この状態で女の子一人の世話をするのは無理だと、医師から言われたらしい

でも、叔母は私の世話をすると言い張った

それから叔母は、叔父と協力して私の世話を続けた

それでも、症状は徐々に進行し
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