空っぽの私に色を描いた君
それを言い出したのは、誰かは分からない

でも、私はもしかしたら、怪我をした友達ではないかと思ってしまう

妄想はどんどん広がり、ついに友達とも話さなくなった

メールをすることも無く、学校で話すこともなかった

ただ、私が一方的に避けていたのだ

友達は私に気軽に話しかけてくれていたというのに

好意を受け取らず、私は避け続けた

そのうち、友達は私から離れ、ほかの子と仲良くなっていった

本当は、友達が言い出したものじゃなかった

もし友達が言い出したのなら、話しかけてこなかったという考えには至らなかった

至らせたくなかった

私が疫病神だという噂は徐々に学校に浸透していき

卒業する頃には、知らない人はいないほどにまでなった

─────ちゃんは疫病神だから関わらない方がいい

─────ちゃんに関わったから、──────ちゃんは事故に遭ったんだよ

この噂を、あの友達が全力で否定しているとも知らず

私は、離れていった友達と、完全に縁を切った



そして私は、地元の公立中学に入学した

学校で入学早々あったテストでは、250人/300人中

この成績を見た叔父は顔面蒼白になったが、私は当たり前だと思った

別に、私は高校に行く必要は無いから

進学する必要は無いからと

そんな時だった

急に、叔母が亡くなった

死因は、失外套症候群

アルツハイマーに見られる病気だと聞いた
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