空っぽの私に色を描いた君
そして、叔母の葬儀を終え

叔父は私を養うために、仕事に明け暮れた

元は親戚と言うのに、ここまでやってくれる叔父に対して、私は感謝していた

もう二度と、疲労で倒れて欲しくない

もう二度と、嫌な思いをして欲しくない

その一心で、私は家事をこなし、やれる程度の勉強にも励んだ

なんとか期末テストでは、190人/300人中まで上り詰めた

叔父からは褒められた

また喜ばせようと、家事との両立をしながら私は生活を続けた

でも、幸せだったのはほんの少しの間だけ

公立のため、小学校からあがってくる同級生の割合は多い

よって、この学校でも、私が疫病神だという噂はあっという間に広まった

私が廊下を通る度、さっと避けられる

教室からは軽くどよめきがあがる始末

それは、学年に限らなかった

通学路に出れば、ヒソヒソと指をさされる

家に入れば、同じ通学路の子がこの家が疫病神の家か、と呟く

これ以上、叔父に迷惑をかけるわけにはいかないのに

これ以上、大切な人を傷つけるわけにはいかないのに

なのに、どうしてなのか

ご近所さんに噂が知れてしまった

ご近所さんからも指をさされた

これで、叔父に影響がでないはずがない

だから、私はやれることを真剣にやった

叔父は変わらず、笑顔で私に接してくれる

叔父があまりご近所さんともお付き合いをしていないからかもしれない

私に噂がどうこうと言うことは一切なかった
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