あなたの名前は忘れたけれど。
「もしも生まれ変わるなら、消しゴムになりたい」

「なんで?」

「だって、最初はとても真っ白で四角いけれど、徐々に黒くなって自分も消えて行くの。ゴミになるの」

「…消えたいの?」

「うん、消えたいの」


その後彼女は死んだ。


自殺だった。


葬式の時に飾られていた写真は、満面の笑みだった。


彼女の周りは向日葵であふれていた。


けれど周囲は涙でいっぱいだった。


若すぎる年だった。


今年24歳を迎えて、あと少しで年末だね、なんて笑ってた。


その矢先だった。
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