あなたの名前は忘れたけれど。
気づいていて、でも、会えばお前は。


俺の側にこれからも居てくれると思ってて、そう信じて疑わなかった。


死ぬなんて思わなかった。


本当に消えるなんて、想像もしていなかった。


ねぇ、愛しい君へ。


お前はこんなにも愛されていたんだよ。


会場は涙で溢れていて、彼女の友人や知人が駆けつけては泣いていた。


みんな泣いていた。


消せるはずもない、彼女の存在を感じて。


父親は泣き崩れた。

挨拶の途中、耐えきれずか。崩れ落ちて。続きの言葉を続ける事もなく、ただ泣いていた。


そんな父の姿を見て、更に皆涙で溢れた。
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