あなたの名前は忘れたけれど。
信じていた友に裏切られ、背負った借金。


たった数百万と、言ってしまえば楽なもんだ。


だがその借金を背負った当時21歳の彼女の心境なんて想像もつかない。


友を失い、返済を背負い、のし掛かるのは絶望だけ。


なぁ、どうして。


1人で何でも出来るなんて、思うなよ。


頼む。


お願いだから。


俺の記憶だけは、消さないでくれ。


愛していたんだ。


どんなに俺が苦しい思いをしても、嫉妬をしても、理由を知っていたから。
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