あなたの名前は忘れたけれど。
負けなかった俺は、立ち向かった。


その差は…そうだな。

1つの勇気なのかもしれない。


なぁ、お前の両親は、なんでお前にそう名付けたんだろうな?


勇気。


お前が、父と母に立ち向かう勇気を、少しでも持てたなら。


「明日、お前の…勇気の両親に会ってくるよ。何か伝えたい事はあるか?」


少し考え込む素振りを見せたあと、彼は口を開いた。


「…ごめんって……いや、……伝える事は、何もないです」

「…そうか、わかった」


今日の面会はここで終わり。
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