あなたの名前は忘れたけれど。
ダメだと同時に思った。


好きだと伝えたら、どうなる?


俺は、どうする?

捨てる?


同時に同じくらい好きで、守りたい相手が溺れていたら。

どちらを助ける?


そんな酷な問題を出されているかのような気分だった。


結婚をして、生涯その人を愛すると誓って。


けれどこの先50年、60年。


ずっと好きでい続けるなんて、果たして本当に出来るのだろうか。


俺は、好きだった。

確かに同じ指輪を同じ薬指に嵌めている嫁も、でも必死で俺をどう呼び止めようか悩んでいたお前も。


どちらか1人を選べば、どちらか1人は彷徨うのだろう。
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