あなたの名前は忘れたけれど。
俺はきっと、お前を見殺しにするだろう。


今頃泣いているだろうか。

それとも、寒さに弱いお前は一人で毛布にくるまっているのだろうか。


俺の腕枕がなくて、お前は寝れるのだろうか。


やけにそんな心配をしながら、そんな資格は無いのに、と自嘲する。


男って、バカな生き物だな。


本当にどうしようもなくて、バカで。

俺に、どちらかを助ける事なんて出来やしないのだから。


いっそのこと俺を溺らせてくれよ。


深い深い海の底に、俺を沈めてくれよ。
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