あなたの名前は忘れたけれど。
彼も同じだったのか、私を求めにベットにやってきた。


交わすキス。

探り合う舌。

テレビの明かりだけが灯る部屋の中で、彼の手が私の体を這ってゆく。


1つ、賭けをしようと思うの。


私の人生をかけた、大勝負。


「ねぇ…」


彼の動きがピタリと一瞬だけ静止する。


少しだけ、震える息を吐き出した。


彼の答えが、想像出来なかった。


怖かった。

求められなくなることが。

会えなくなる事が。


けど、それ以上に、私は君が欲しかった。
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